治ってきたフェレット

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いたち(フェレット)

根治療法・支持(維持)療法【治療方針を決める】とは?フェレットわさびの療養記録8

2017年7月15日

下アゴがポッコリと腫れたワサビ君

それに気付いてからのお話しはこちらなど

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今日までの間、私達いたちのおうちスタッフは、多分、今までで一番、「話し合い」をしました。

それぞれがもう、結構、古い付き合いになる歴なのに、初めてこんなにたくさん話し合いをしました。

その全ての結論が出たわけではまだ無いけれど、このお話しは、ここでいったん終わりに出来るくらいまでになりました。

皆さまのお陰です。

ご心配頂きありがとうございます。

ワサビ君の事いっぱい思って頂き、本当にありがとうございます。

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治療方針を決める

どんな病気やケガでも、その「治療」を考える時に必要なのは、まずはその「方針」です。

氣を扱うという少し特殊な職業に就いている私の周りには「手当てだけが正しい治療だ」という考えの人もいたりします。

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その事について何かを言うつもりはありませんが、一応、小動物看護士の有資格者でもありますし…

私は西洋医学もきちんと取り入れたいと考えている方です。

目の前のその子の状態や年齢、体力などその全てを考慮したうえで、最善の選択をしてあげる事が飼い主の努めであり、それが命への責任だって思っています。

判断材料として

獣医さんというのは、そのプロであるという事。

これは絶対です。

そのプロを「信用してお任せできる」という土台が無ければ、話にも何もなりません。

でも、その時になって急にでは、そうはいきませんから、だから、そういう時のためにも、普段からそういう情報を仕入れておいたり(ニョロリスト同士の横の繋がりなど)、定期健診の時には是非じっくりと先生との信頼関係を築くなどしてあげておかなければいけないって思っています。

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何かがあったその場合、獣医さんは「飼い主とそのペットにとって」より良い治療方法を提示してくれるはずです。

だから、私たち飼い主は、「その子」にとってどうしてあげたら良いか、どうしてあげる事が出来るのか、その一番を決断しなければいけません。

獣医さんの説明をよく聞いて、「その子」のために考えて、その子を大切に思って決めたその方針が、「正しい治療方針」だって私は思っています。

その病院の診療方針を理解しよう

誰でもが望むそれをいつでもその場でしてあげられるのであれば、それが一番良いとは思いますが、かかりつけの動物病院でその全てにいつでも対応してもらえるとは限りません。

高度医療が必要だと診断された子が、その専門性の高い病院に紹介状を書いてもらった例を知っています。

それまでかかりつけだった病院での治療以外を望む事は、決して誰からも責められたり嫌われたりするような行為ではありません。

セカンドオピニオンというのは「主治医と共に治療を選択する」の範囲です。

また、「同じ病気を患った子の話し」を参考にして、飼い主さんだけの事情や判断で転院を決めたとしても、それは患者側が持つ当然の権利だと私は思っています。

気を使う先を間違えてるんじゃないかな?って思う飼い主さんのお話しを聞いたことがこれまでに何度かありました。

そういう時に冷静に判断できるよう、普段からの情報収集は、やはり大切な事だと思います。

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飼い主としての気持ち・考え方をしっかり持とう

命にかかわるような病気の治療においては、根治を目指すばかりが治療では無い場合があります。

それでも、そこをゴールとするのか、その子の体への負担を考えて、なるべくその負担がかかる治療は避けてあげたいという考え方もあります。

痛みなどの不快感を取り除いて、生活の質を高めてあげる事を優先してあげようと思う場合だってあります。

この場合、他の誰かの話しと一緒にしてはいけません。

あくまでも、「その子のその時の状態に合わせての一番」を、きちんと考えてあげて欲しいと思います。

現実的な状況を自分できちんと把握しておこう

強制給餌や投薬など、お家での看護となれば、それをしてあげられるのは飼い主の私たち自身だけです。

日常生活を送りながら、看護にかけられる時間がどれくらいとれるのかは、それぞれの生活によって全然変わってくると思います。

「自分一人が寝ないで付きっきり」なんて出来るのは精々1日か2日が限度です。

現実的に考えて、そんな無理は続けられないのです。

続けられないのでは看護とは言えません。

毎日の生活の中で出来る範囲、その子に合わせてあげられる範囲、ずっと続けてあげられるそれを冷静に考えて下さい。

それが長引けば長引くほど、当然ながら治療費は高額になります。

病院の計らいで高額になったその治療費を分割払いで支払うという選択ができた飼い主さんが言っていました。

「その子が亡くなってからも続く支払いがきつかった」と、その子はもういないのに治療費を払いにだけ病院へ行くのは精神的にも本当に辛い事だったと思います。

「これ以上は金銭的に無理だ」として途中で治療方針の変更をせざるを得なくなった飼い主さんも知っています。

彼は自分を責めるような事を言っていたけど、それでも、事情があろうと何だろうと、飼い主さんがその子を思って、その時、その時に決めた事が最善だって私は思っています。

彼は誰からも責められるような飼い主さんじゃなかった事は、見ていただけの私にだって分かる事です。

…立ち直ってくれていたら良いなって思います。

根治療法と支持(維持)療法

根治療法と支持(維持)療法は、どちらかだけを選択しなければいけないというものではありません。

「両方を上手く取り入れる」という治療方法だって、最善のうちの1つです。

根治療法とは

病気の原因となっているものを根本的に治療し、完全に治そうという考え方です。

腫瘍を切除する外科手術だったり、感染症なら投薬によってウイルスや細菌を完全に撃退します。

それによって、(完治させてあげる事が出来れば)再発しないという可能性がある一方で、高齢であったり、あまりにも衰弱している体では、手術そのものがリスクであったり、投薬による副作用で亡くなってしまうという事もあります。

誰でもがいつでも根治療法を考えられるというものでは無いのです。

支持(維持)療法とは

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アタチはなこ
アタチはなこ
お医者さん
お医者さん
がんに伴う症状や、治療によって起こる副作用に対して、予防的な対策や症状の軽減を目的として行う治療です。 抗がん薬(抗がん剤)の投与によって起こる副作用に対して、薬を投与することで症状の改善が図れます。 症状を緩和させ、苦痛や不快感を取り除いてあげる事を優先してあげようという考えのもとで進められる治療方法の事です。

要するにこれは、

  • 痛みがあるなら鎮静剤
  • 下痢で脱水状態にあるなら点滴などによる補液
  • 食欲不振なら栄養補給

などがそう呼ばれる治療方法です。

じゃあ維持療法は?
アタチはなこ
アタチはなこ
お医者さん
お医者さん
疾病に対して行った治療が効果をあげて寛解期に入ったとき、疾病の再燃、あるいは再発を予防するために、一定期間持続して行う療法。 例えば膠原(こうげん)病に対して行う副腎皮質ホルモン剤の投与などが「維持療法」です。

フェレットで言えば、インスリノーマの子に血糖値のコントロールの為にステロイド剤を投薬し続ける事

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などがそうです。

それらの治療を受けていても、根本的な原因が残っている以上、その間に自然と治ってくれる病気では無い限り、薬の効果が切れたらまた同じ症状が出ます。

支持療法での治療を続けて、体力を回復させるなどしてから根治療法に切り替えるという治療方針もあります。

根治療法を受けた後、維持療法を続けるという治療方針もあります。

当然、根治療法は避けて、支持(維持)療法を続けるという治療方針だってあるのです。

ワサビ君のこと

腫瘍か膿瘍(炎症)か、その判断を兼ねた治療として、2週間、効き目があるとされる抗生剤を投与してもらいました。

その翌日から1日に6~10回程度の頻度でサプリメントをあげ始めました。

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腫れはどんどん引いてきているよう見えて嬉しかったです。

そのサプリメントを勧めてくれた知人の言葉を思い出していました。

そのサプリメントを与えて、腫瘍が小さくなったという人やペットちゃん達の事です。

投薬から一週間後、病院で先生からも、確かに「腫れは引いてきている」と言われました。

それは、サプリメントを与えていなければ、「腫瘍ではない」という確実な判断ができるはずの結果でした。

だから、「そういう例があるとされる物を信じてあげているんでしょ?」って仰った先生の判断は「細胞診などでハッキリさせますか?」でした。

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病名なんかハッキリさせなくても治ってさえくれているならそれで良い

私たちは

歯の問題で炎症を起こしているのなら、それが可能になり次第、速やかに抜歯をしてもらおう

腫瘍ならその外科手術(下顎を半分切除)はしない

リンパ腫であった場合

フェレットのリンパ腫(リンパ肉腫、リンパ性白血病)ってどんな病気?その症状や治療法は?
フェレットのリンパ腫(リンパ肉腫、リンパ性白血病)ってどんな病気?その症状や治療法は?

まずはじめに、今日のアイキャッチ画像の説明となりますが、これは、大きく顔を腫らしたこの状態で病院へ行った時、「口腔内腫瘍である可能性があります。その場合には最悪の事態を覚悟して下さい」と言われた、うち

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その結果を持って、複数の病院へ行って

何がしてあげられるのかを聞いて回ろう

厳密にいうと、それぞれの病院で出来る(してもらえる)治療方法とその先生の治療方針を聞かせてもらいながら、その先はその時々で判断していこうって決めていました。

毎日、毎日、それぞれが色々な方から話しを聞かせてもらったり、調べたりして、その事ばかり話し合って、「わさびの為にそうしてあげよう」って決めた事です。

腫れが引いて分かった事は「腫れは引いてきている」という事だけです。

まだ抗生剤の効き目があるとされる期間内なので、そういう事なだけかもしれません。

サプリメントのお陰なのかもしれません。

でも、今はこれで良いって思っています。

腫瘍かそうじゃないかはどうでも良いのです。

ワサビ君の体の炎症は確実に治まってきてくれているのですから。

最近、届くお問い合わせを見ていると、数値の詳細を出してその効果や成果が奇跡の証拠になるかどうか、きちんとしたデータにする事を望まれてる方がいらっしゃるようですけども…

うちの子は研究対象(実験動物)ではないから

ワサビ君を「奇跡の子」の仲間に考えて頂けるのは大変光栄ではありますが、私は研究者でもなければ、ワサビ君はその研究対象でも何でもないのです。

病名なんかハッキリさせなくても…

西洋医学にだけ基づいた治療じゃなくても…

サプリメントの効果だと実証できるものじゃなくても…

私達はそれで良いんです。

他の誰かの参考に…は二の次です。

今後も、そんな物(データ収集)のためだけに採血やレントゲン検査だとかをするつもりは一切ありません。(※前向きな治療過程において必要な時はもちろんそれをお願いします)

まずはワサビが良くなる事しか考えていないのです。

ワサビ君が元気になってさえくれればそれで良いんです。

だから、このお話しはここで一旦お終いにします。

ご心配頂いた皆様、本当にありがとうございました。

今日のアイキャッチ画像でお分かり頂ける通り、ワサビ君は順調に良くなってきています。

炎症をおこしていたフェレットの口内

多くの「頑張れ!」

多くの「ワサビ君なら大丈夫」

多くの、私たち人間に対するお心遣い

感謝しています。

本当にありがとうございます。

いたちのおうちスタッフ一同

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